五色百人一首
百人一首の楽しみ方 |
五色百人一首「五色百人一首」という遊び方をご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、「五色百人一首」とは、小倉百人一首をその難しさに応じて20枚ずつ5色に色分けして遊ぶものです。 この「五色百人一首」は小・中学生を対象にして考案されたものですが、札の数が20枚と少ないため、短い時間で楽しむことが出来ますし、裏には上の句が書いてあって、試合中にも見ることができるため、早く和歌を覚えることもできます。 「五色百人一首」は学習の一環として、授業に取り入れる学校も多く、最近では全国各地で大会なども開催されていますし、一般家庭の間でもかなり親しまれてきている遊び方です。 さて、「五色百人一首」の遊び方ですが、人数は詠み手のほか、1対1の競技者で行います。 各自の持ち札は10枚ずつで、自分の陣地に2段に並べます。 あとは読み上げられた札を早く取って、取った札は右手元に置くようにします。 同時に手を着いた場合は、下に手がある方が勝ちになりますが、難しい時にはジャンケンで決めます。 お手つきをした時は、取った札から1枚を場に戻しますが、まだ一枚も札を取っていない場合は、「かり」として次に取ったときに戻します。 場に戻した札は、次に読まれた札を取った人がもらうことができますが、 試合途中の私語は厳禁で、審判が私語と認めた場合にはお手つきとなります。 このようにして、17枚を読み上げた時に、取った札の多い方が勝ちとなります。 以上が「五色百人一首」の遊び方ですが、競技者をチームにするなどでして、独自のルールで遊んでみるのも面白いと思います。 「五色百人一首」は札数が少ない分だけ簡単に遊べるので、ぜひ楽しんでみてください。 |
「五色百人一首」の色分け |
青色の札 1 足びきの 山鳥の尾の しだり尾の 2 有明の つれなく見え 別れより 3 嵐吹く 三室の山の もみじ葉は 4 奥山に もみじ踏み分け 鳴く鹿の 5 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 6 寂しさに 宿を立ちいでて ながむれば 7 鵲の 渡せる橋に おく霜の 8 君がため 惜しからざりし 命さえ 9 憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ 10 天つ風 雲の通い路 吹きとじよ 11 巡り逢いて 見しやそれとも わかぬ間に 12 わたの原 こぎいでて見れば 久方の 13 みちのくの しのぶもじずり 誰ゆえに 14 いにしえの 奈良の都の 八重桜 15 きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 16 このたびは ぬさも取りあえず 手向山 17 夜をこめて 鳥の空音は はかるとも 18 ももしきや 古きのきばの しのぶにも 19 契りおきし させもが露を 命にて 20 思いわび さても命は あるものを 黄色の札 1 春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 2 天の原 振りさけ見れば 春日なる 3 これやこの ゆくも帰るも 別れては 4 住の江の 岸に寄る波 寄るさえや 5 山川に 風のかけたる しがらみは 6 久方の 光のどけき 春の日に 7 白露に 風の吹きしく 秋の野は 8 あさじうの 小野の篠原 しのぶれど 9 由良のとを わたる舟人 かじを絶え 10 八重むぐら しげれる宿の 寂しきに 11 滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 12 大江山 いく野の道の 遠ければ 13 淡路島 通う千鳥の 鳴く声に 14 秋風に たなびく雲の 絶え間より 15 ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば 16 村雨の 露もまだ干(ひ)ぬ まきの葉に 17 み吉野の 山の秋風 さ夜更(ふ)けて 18 花さそう 嵐の庭の 雪ならで 19 夜もすがら 物思うころは 明けやらで 20 玉の緒よ 絶えなば絶えね 永らえば オレンジの札 1 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら 2 朝ぼらけ 宇治の川霧 絶え絶えに 3 哀れとも いうべき人は 思おえで 4 逢いみての のちの心に くらぶれば 5 逢(お)うことの 絶えてしなくば なかなかに 6 あらざらん この世の外の 思い出に 7 今来んと いいしばかりに 長月の 8 今はただ 思い絶えなん とばかりを 9 瀬を早み 岩にせかるる 滝川の 10 なげきつつ 独り寝る夜の 明くる間は 11 名にしおわば おうさか山の さねかずら 12 難波江の 蘆のかり寝の ひと夜ゆえ 13 難波がた 短き蘆の ふしの間も 14 春の夜の 夢ばかりなる た枕に 15 人もおし 人も恨めし 味きなく 16 みかきもり えじのたく火の 夜は燃え 17 みかの原 わきて流るる 泉川 18 見せばやな おじまのあまの 袖だにも 19 おおけなく 浮世の民に おおうかな 20 風そよぐ 奈良の小川の 夕暮れは |
ピンク色の札 1 嘆けとて 月やは(わ)ものを 思わする 2 来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 3 もろともに あわれと思え 山桜 4 音に聞く 高師の浜の あだなみは 5 高砂の おのえの桜 咲きにけり 6 長からん 心も知らず 黒髪の 7 かくとだに えやは(わ)いぶきのさしも草 8 有馬山 いなの笹原 風吹けば 9 恨みわび 干さぬ袖だに あるものを 10 だれをかも 知る人にせん 高砂の 11 しのぶれど 色にいでにけり わが恋は 12 風をいたみ 岩打つ波の おのれのみ 13 立ち別れ いなばの山の 峰におうる 14 吹くからに 秋の草木の しおるれば 15 山ざとは 冬ぞ寂しさ まさりける 16 秋の田の かりほのいおの とまをあらみ 17 田子の浦に うちいでて見れば 白妙の 18 筑波ねの 峰より落つる みなの川 19 世の中よ 道こそなけれ 思いいる 20 永(なが)らえば またこの頃やしのばれん 緑の札 1 わがいおは 都のたつみ 鹿ぞ住む 2 花の色は 移りにけりな いたずらに 3 わたの原 八十島かけて 漕ぎいでぬと 4 君がため 春の野にいでて 若菜つむ 5 千早ぶる 神代も聞かず 龍田川 6 侘びぬれば 今はた同じ 難波なる 7 月見れば 千々に物こそ 悲しけれ 8 小倉山 峰のもみじ葉 心あらば 9 心あてに 折らばや折らん 初霜の 10 人はいざ 心も知らず ふるさとは 11 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 12 忘らるる 身をば思わず ちかいてし 13 恋すちょう わが名はまだき 立ちにけり 14 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 15 忘れじの 行く末までは かたければ 16 安らわで 寝なましものを さ夜ふけて 17 心にも あらで憂き世に 永らえば 18 夕されば かどたのいなば おとずれて 19 わが袖は 潮干ににみえぬ 沖の石の 20 世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ |
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