030 　ありあけの　つれなくみえし　わかれより　　あかつぎばかり　うきものはなし
071　ゆふされば　かどたのいなば　おとづれて　　あしのまろやに　あきかぜぞふく
019 　なにはがた　みじかきあしの　ふしのまも　　あはでこのよを　すぐしてよとや
075 　ちぎりおきし　させもがつゆを　いのちにて　　あはれことしの　あきもいぬめり
093 　よのなかは　つねにもがもな　なぎさこぐ　　あまのをぶねの　つなでかなしも
039 　あさぢふの　をののしのはら　しのぶれど　　あまりてなどか　ひとのこひしき
064 　あさぼらけ　うぢのかはぎり　たえだえに　　あらはれわたる　せぜのあじろぎ
021　いまこむと　いひしばかりに　ながつきの　　ありあけのつきを　まちいでつるかな

053 　なげきつつ　ひとりぬるよの　あくるまは　　いかにひさしき　ものとかはしる
078 　あはぢしま　かよふちどりの　なくこゑに　　いくよれざめぬ　すまのせきもり
070 　さびしさに　やどをたちいでて　ながむれば　　いづこもおなじ　あきのゆふぐれ
027 　みかのはら　わきてながるる　いづみがは　　いつみきとてか　こひしかるらむ
058 　ありまやま　ゐなのささはら　かぜふけば　　いでそよひとを　わすれやはする
056 　あらざらむ　このよのほかの　おもひでに　　いまひとたびの　あふこともがな
026 　をぐらやま　みねのもみぢば　こころあらば　　いまひとたびの　みゆきまたなむ

082 　おもひわび　さてもいのちは　あるものを　　うきにたへぬは　なみだなりけり
084 　ながらへば　またこのごろや　しのばれむ　　うしとみしよぞ　いまはこひしき

029 　こころあてに　をらばやをらむ　はつしもの　　おきまどはせる　しらぎくのはな
012 　あまつかぜ　くのもかよひぢ　ふきとぢよ　　をとめのすがた　しばしとどめむ

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か

072 　おとにきく　たかしのはまの　あだなみは　　かけじやそでの　ぬれもこそすれ
086 　なげけとて　つきやはものを　おもはする　　かこちがほなる　わがなみだかな
059 　やすらはで　ねなましものを　さよふけて　　かたぶくまでの　つきをみしかな
067 　はるのよの　ゆめばかりなる　たまくらに　　かひなくたたむ　なこそをしけれ
017 　ちはやぶる　かみよもきかず　たつたがは　　からくれなゐに　みづくくるとは

087 　むらさめの　つゆもまだひぬ　まきのはに　　きりたちのぼる　あきのゆふぐれ

048 　かぜをいたみ　いはうつなみの　おのれのみ　　くだけてものを　おもふころかな
057　めぐりあひて　みしやそれとも　わかぬまに　　くもがくれにし　よはのつきかな
036 　なつのよは　まだよひながら　あけぬるを　　くものいづこに　つきやどるらむ
076 　わたのはら　こぎいでてみれば　ひさかたの　　くもゐにまがふ　おきつしらなみ

061 　いにしへの　ならのみやこの　やへざくら　　けふここのへに　にほひぬるかな
054 　わすれじの　ゆくすゑまでは　かたければ　　けふをかぎりの　いのちともがな

068 　こころにも　あらでうきよに　ながらへば　　こひしかるべき　よはのつきかな
013 　つくばねの　みねよりおつる　みなのがは　　こひぞつもりて　ふちとなりぬる
065 　うらみわび　ほさぬそでだに　あるものを　　こひにくちなむ　なこそをしけれ
091 　きりぎりす　なくやしもよの　さむしろに　　ころもかたしき　ひとりかもねむ
002 　はるすぎて　なつきにけらし　しろたへの　　ころもほすてふ　あまのかぐやま
005　おくやまに　もみぢふみわけ　なくしかの　　こゑきくときぞ　あきはかなしき

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さ

051 　かくとだに　えやはいぶきの　さしもぐさ　　さしもしらじな　もゆるおもひを

033　ひさかたの　ひかりのどけき　はるのひに　　しづこころなく　はなのちるらむ
089 　たまのをよ　たえなばたえね　ながらへば　　しのぶることの　よわりもぞする
010　これやこの　ゆくもかへるも　わかれては　　しるもしらぬも　あふさかのせき
006　かささぎの　わたせるはしに　おくしもの　　しろきをみれば　よぞふけにける

042　ちぎりきな　かたみにそでを　しぼりつつ　　すゑのまつやま　なみこさじとは

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た

081 　ほととぎす　なきつるかたを　ながむれば　　ただありあけの　つきぞのこれる
069 　あらしふく　みむろのやまの　もみぢばは　　たつたのかはの　にしきなりけり

037 　しらつゆに　かぜのふきしく　あきののは　　つらぬきとめぬ　たまぞちりける

073 　たかさごの　をのへのさくら　さきにけり　　とやまのかすみ　たたずもあらなむ

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な

050 　きみがため　をしからざりし　いのちさへ　　ながくもがなと　おもひけるかな
003 　あしびきの　やまどりのをの　しだりをの　　ながながしよを　ひとりかもねむ
032 　やまがはに　かぜのかけたる　しがらみは　　ながれもあへぬ　もみぢなりけり
055 　たきのおとは　たえてひさしく　なりぬれど　　なこそながれて　なほきこえけれ
100 　ももしきや　ふるきのきばの　しのぶにも　　なほあまりある　むかしなりけり
052 　あけぬれば　くるるものとは　しりながら　　なほうらめしき　あさぼらけかな

090 みせばやな　をじまのあまの　そでだにも　　ぬれにぞぬれし　いろはかはらず

085 よもすがら　ものおもふころは　あけやらで　　ねやのひまさへ　つれなかりけり

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は

074 　うかりける　ひとをはつせの　やまおろしよ　　はげしかれとは　いのらぬものを
035 　ひとはいさ　こころもしらず　ふるさとは　　はなぞむかしの　かににほひける
066 　もろともに　あはれとおもへ　やまざくら　　はなよりほかに　しるひともなし

092 　わがそでは　しほひにみえぬ　おきのいしの　　ひとこそしらね　かわくまもなし
047 　やへむぐら　しげれるやどの　さびしきに　　ひとこそみえね　あきはきにけり
041 　こひすてふ　わがなはまだき　たちにけり　　ひとしれずこそ　おもひそめしか
063 　いまはただ　おもひたえなむ　とばかりを　　ひとづてならで　いふよしもがな
025 　なにしおはば　あふさかやまの　さねかづら　　ひとにしられで　くるよしもがな
011 　わたのはら　やそしまかけて　こぎいでぬと　　ひとにはつげよ　あまのつりぶね
038 　わすらるる　みをばおもはず　ちかひてし　　ひとのいのちの　をしくもあるかな
028 　やまざとは　ふゆぞさびしさ　まさりける　　ひとめもくさも　かれぬとおもへば
044 　あふことの　たえてしなくば　なかなかに　　ひとをもみをも　うらみざらまし
049 　みかきもり　ゑじのたくひの　よるはもえて　　ひるはきえつつ　ものをこそおもへ

004 　たごのうらに　うちいでてみれば　しろたへの　　ふじのたかねに　ゆきはふりつつ
096 　はなさそふ　あらしのにはの　ゆきならで　　ふりゆくものは　わがみなりけり
094 　みよしのの　やまのあきかぜ　さよふけて　　ふるさとさむく　ころもうつなり

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ま

060 　おほえやま　いくののみちの　とほければ　　まだふみもみず　あまのはしだて
016 　たちわかれ　いなぱのやまの　みねにおふる　　まつとしきかば　いまかへりこむ
034 　たれをかも　しるひとにせむ　たかさごの　　まつもむかしの　ともならなくに

007 　あまのはら　ふりさけみれば　かすがなる　　みかさのやまに　いでしつきかも
098 　かぜそよぐ　ならのをがはの　ゆふぐれは　　みそぎぞなつの　しるしなりける
014 　みちのくの　しのぶもぢずり　たれゆゑに　　みだれそめにし　われならなくに
080 　ながからむ　こころもしらず　くろかみの　　みだれてけさは　ものをこそおもへ
045 　あはれとも　いふべきひとは　おもほえで　　みのいたづらに　なりぬべきかな
020 　わびぬれば　いまはたおなじ　なにはなる　　みをつくしても　あはむとぞおもふ
088 　なにはえの　あしのかりねの　ひとよゆゑ　　みをつくしてや　こひわたるべき

043 　あひみての　のちのこころに　くらぶれば　むかしはものを　おもはざりけり
022 　ふくからに　あきのくさきの　しをるれば　むべやまかぜを　あらしといふらむ

040　しのぶれど　いろにいでにけり　わがこひは　ものやおもふと　ひとのとふまで
024 　このたびは　ぬさもとりあへず　たむけやま　もみぢのにしき　かみのまにまに
079 　あきかぜに　たなびくくもの　たえまより　もれいづるつきの　かげのさやけさ

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や・わ

097 　こぬひとを　まつほのうらの　ゆふなぎに　　やくやもしほの　みもこがれつつ
083　よのなかよ　みちこそなけれ　おもひいる　　やまのおくにも　しかぞなくなる

046 　ゆらのとを　わたるふなびと　かぢをたえ　　ゆくへもしらぬ　こひのみちかな
018 　すみのえの　きしによるなみ　よるさへや　　ゆめのかよひぢ　ひとめよくらむ

031 　あさぼらけ　ありあけのつきと　みるまでに　　よしののさとに　ふれるしらゆき
062　よをこめて　とりのそらねは　はかるとも　　よにあふさかの　せきはゆるさじ
008 　わがいほは　みやこのたつみ　しかぞすむ　　よをうぢやまと　ひとはいふなり
099 　ひともをし　ひともうらめし　あぢきなく　　よをおもふゆゑに　ものおもふみは

015　きみがため　はるののにいでて　わかなつむ　　わがころもでに　ゆきはふりつつ
001 　あきのたの　かりほのいほの　とまをあらみ　　わがころもでは　つゆにぬれつつ
095 　おほけなく　うきよのたみに　おほふかな　　わがたつそまに　すみぞめのそで
023 　つきみれば　ちぢにものこそ　かなしけれ　　わがみひとつの　あきにはあらねど
009 　はなのいろは　うつりにけりな　いたづらに　　わがみよにふる　ながめせしまに
077 　せをはやみ　いはにせかるる　たきがはの　　われてもすゑに　あはむとぞおもふ

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